2012年11月26日

ピンクのポンポン★42(42−1)

★40と★41は後日、UPします

❀ 笑顔で「行ってきます」 ❀
 夕飯のカレーを作り終えて時計を見たら、あと一時間程で自宅を出る時間だった。ずっと親が共働きだったので、家事には慣れっこだけど、せっかくのお休みなのに、家事で昼間の時間が終わってしまうのは不満が残るけれど、仕方がない。慌てて、ベランダに干していた洗濯物を取り込み、たたんで片付けた。そして手早く支度を整えると、まだ暑い中、家を出てきた。

 今日は結婚してからは初めてのコンサート。今朝、夫を送り出す時、ちゃんと振り返って、
 「気をつけて行って来て」と言われたので、驚いてしまい、一度絶句した後で、
 「ありがとう、行ってらっしゃい」と送り出せた。

 昨夜、今日と明日の夜に出かけることを念押しした時は、
 「ウン、分かってる」とつれない返事だった。実家に居た頃なら、コンサートへ出かけると言っただけで、弟の、
 「また?」に始まって、両親も賑やかに反応してくれたけど、二人暮らしだとこんなものなのかなぁ?と、昨夜は淋しい気持ちになってしまった。だからと言って、私自身が興味の無いF1の話をされても、やはり面白くはないので、こんなものなのかなぁ?と思いつつ、そのまま、夕飯を続けた。そして、カレーを作っておくから温め直して食べてねという事と、御飯はタイマで炊いておくことも伝えたけれど、
 「ウン、分かった」の一言だった。
 お風呂の中で何度も溜息をつきつつ、今朝もいつも通りに朝御飯を作り、夫を起こした。もう一度、念押しした方が良いのかな?とも思ったけれど、またつれない返事をされると気持ちがへこんでしまうので、言うのを止めた。
 でも、ちゃんと憶えていてくれて、笑顔で『気をつけて行って来て』と言われたことで、一気に気持ちが明るくなった。買い置きの鶏肉で作る予定だったカレーの具を、牛肉に変更するため、商店街がちゃんと営業を始める昼過ぎまで買い物へ行くのを控えた。
 その代わり、午前中は洗濯と丁寧な掃除に励んだ。そして、早めにお昼を食べてから、戦闘開始!ということで、丁寧にカレーを作り始めた。玉葱くらいは午前中に炒めておけば良かったなと、後悔はしたけれど、でも丁寧にカレーを作った。
 いつもの様に発泡酒を飲みながらの夕飯になるだろうからと思い、枝豆も買ってきたので、野菜を煮込んでいる間に、枝豆も丁寧に塩で揉んでから茹でた。
 冷蔵庫の中に枝豆とトマトのマリネがあることと、『行ってきます!』とメモに書き、テーブルに置いておいた。勿論、メモの上に、発泡酒を飲むためのビールグラスをのせてきた。

 小さなことだけど、気持ちよくコンサートへ送り出して貰えたことが凄く嬉しい。そして、実家では当たり前のように気持ちよく送り出してくれて、気持ちよく帰りを迎えてくれていたことに初めて気づいたせいか、電車の中では完全に顔がにやけてしまった。
 会場に到着するとグッズを買い、入場して席についた。ピンクのポンポンは新しいペンライトと共に膝の上に置いた。帰りの電車の中で、両親に今朝の出来事をのろけるメールと、結婚前に気持ち良くコンサートへ出していてくれたことに感謝の気持ちを伝えたいなと思った。
 そして、夫にも、ちゃんと笑顔で『ありがとう』と伝えたいので、しっかりとコンサートを楽しみたいなぁと思った。
 携帯のメール着信音が鳴ったので、パンツのポケットから出して確認したら、まだ来ていなかった友達からだった。やっと、会場に着いたらしい。待ってるよ〜と返信し、携帯をポケットへ入れた。

mokkon at 22:00│Comments(0) 妄想小説 

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