2012年11月27日

ピンクのポンポン★43(42−2)

昨日のお話
 「先輩が普通にやっているから、断れなかったんです」
 お断りできなかった分、しっかりと笑わせて頂きました。目をカッと見開くシーンがなくて残念 またやって欲しいです  他のキャラでも良いので
  お昼の番組の笑顔にも ☚こんな感じで元気を分けて頂けました


周囲に心配が嬉しく感じる人の「行ってきます!」
 一昨日、自覚症状は無かったけれど、もしや……ということに気付いた。昨日、病院へ行ったら、やはり妊娠していた。今日と明日のことを考えると、何時(いつ)、夫に告げるべきか?と迷ったけれど、思い切って、昨日の夕飯の時に言った。想像通り、今日と明日、出かけて大丈夫なのか?という話になった。黙って出かけて、土曜に言おうものなら、余計に心配されるかもしれなという予想は当たっていたみたいだった。
 遠くに出かける訳でもないし、仕事も続けているので、
 「会社へ行くのと同じようなものだから」と、ニッコリと笑ってみせると、一応、納得はしたみたいだった。加えて、食後の片付けはいつも通り、手伝う気配も見せなかったので、
 「こうやって、家事もいつも通りにやっているんだから、大丈夫よ」と、泡立てたスポンジを手に持ったまま振り返るというCMみたいな姿を見せた。
 「でも、家事とコンサートは違うし……」と、夫が逃げようとしたので、
 「悪阻が始まった時には、家事はお願いね」とイヤミを言ってから、洗い物を片付けた。

 結婚して一年、周囲がうるさくなってきていたので、いいタイミングだなとは思う。ただ、病院は来週でも良かったかな?と、昨夜は後悔した。ただ、頭に来ていたので、今朝、朝御飯を食べながら、夕飯はコンビニでお弁当でも買って食べてねとまたイヤミを言うと、ウンという返事しか返ってこなかった。
 その返事で、更に苛々したので、出かける夫を居間から見送った。
 自分の母親に相談して、姑からお叱りの母親の電話なんて入らなければ良いのけどなぁと思いつつ、掃除と洗濯を片付けた。取り敢えず、本屋へ行き、マニュアル雑誌を買った。お医者様からはいつも通りの生活で無理をしなければ問題ないと言われたので、コンサートも立ちっぱなしでなければ、大丈夫な筈なのになぁと思いつつ、ダイニングテーブルで雑誌を読み始めたところで、電話が鳴った。
 自宅の電話へ掛けてくる人は限られているのて、イヤな予感を感じつつ、受話器をとると、やはり姑からだった。受話器の向こうから聞こえてくるおめでとうという言葉にも、心の中で溜息をついた。初孫ではないけど、今から楽しみだとか、ベビーカーは買わなくても義姉の所のお下がりがあるから等と、一通り喋った後で姑が、『それでね』という前置き言葉を言った。イヤな予感が的中した……と思っていたら、予想外の話が続いた。
 「家事を手伝いもせずに、コンサートへ行くのはどうか?って、ウチのバカ息子が嫌味を言ったみたいで、ごめんなさいね。私、ちゃんと叱っておいたから、体調が問題ないのなら、今日、明日と気持ち良くお出かけしてきてね。そりゃあね、一人で外国旅行へ行くとか言い出すのなら、さすがに私も心配するけれど、『ちょっと出かけるくらい、大丈夫よ!』って、叱っておいたから安心してね。無理がダメな事は、本人が分かっている事だから、本人が大丈夫と思っているのなら、大丈夫よ。それに、もしもダメになった時は身体の弱い子だったと諦めれば良いの。その時はまだ若いんだから、次があるわよ」
 私は丁重にお礼を言い、姑の、
 「じゃあ、気をつけて行ってらっしゃいね」という言葉に、素直に、
 「行ってきます」と言い、電話を切った。勿論、気持ちがしっくり来ていなかったのは事実だった。別に、もしもの話を、今、しなくても……と、唸ってしまった。気分転換に母へ電話をしようか?とも思ったけれど、反対されるとまた気持ちが苛々してしまうので止めた。

 お昼に、夫からメールが着信した。自分が悪かったと書きつつ、本当に気をつけて行ってきてねという内容に余計に苛々させられた。でも、よくよく考えると、それだけ心配して貰えるということは有難いことだということに気持ちを切り替えることにした。そうなると気持ちが軽くなったので、夕飯にパスタを用意しておくことにした。そのことを夫にメールすると、携帯が鳴った。電話に出ると、夫の心配そうな声が聞こえてきた。
 「もしもし、無理して作らなくても、大丈夫だよ」
 家事は手伝わないのに、心配し過ぎる夫に笑いそうになったけれど我慢した。そして言った。
 「大丈夫、昨夜も今朝もちゃんと、御飯作ったんだから」
 「そうだよね、ありがとう。じゃあ、願いします。でも、気をつけて行ってね」
 「うん、気をつけて行ってくる。ありがとう」
 短い会話だったけれど、心が明るくなった。

 会場に入り、先に来ていた友達の隣に座った。新婚の彼女が今朝の一件を楽しそうに話すのを聞いてから、私は昨夜からの一件を話した。勿論、彼女もおめでとうと言ってくれたけど、私の身体が心配な様子だったので、ありがたいことだなぁと彼女の優しさに気持ちが緩んだ。今日と明日は良い胎教になりそうだなと考えながら、ペンライトとピンクのポンポンの用意をした。
 「ねぇ、今から頑張って、子供も同級生にとようよ」と言うと、彼女は一瞬絶句した後、
 「それ、良いかも!」と言い、私の肩に手を置いてから笑った。
 今日、明日も楽しい思い出になりそうだなぁと思った。

mokkon at 22:00│Comments(0) 妄想小説 

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